
プロの経験から猫の引っ越しで気をつけること【引っ越し前の準備から引っ越し後のケアまでまとめ】
今まで飼っていて問題が無かったのに、引っ越しをして引きこもって隠れたり・夜泣きが多くなってしまう・トイレが上手く出来なくなった猫は多いです。
実際に猫の引っ越し現場で起こっている悩み事や困り事をプロの視点から猫と引っ越しする際に気を付ける事・引っ越し後の隠れて出てこない時の対処法・新居に慣れてもらいストレスを解消してもらう方法をご紹介します。
猫にとって引っ越しは大きなストレス?
猫は生活する環境にとても繊細に反応します。猫は環境の変化を嫌う習性があります。
住んでいる部屋に違う家具が増えただけでも、猫は警戒して普段の動きをしなくなることもあります。
部屋の模様替えをしたり、家族が増えたりすることでも環境が変わることになります。
猫は自分のなわばりを大切にしますので、少しの環境の変化も【なわばりに異変が起きた】と判断すると考えます。
特に引っ越しは劇的に生活環境が変わるものなので、猫にとっては大きなストレスを感じることになります。
物陰に隠れて出てこないということは、慣れない環境に警戒・怖がったりしています。
引っ越しする前の準備、当日の対応は?
引っ越しの際は猫になるべくストレスをかけないようにするために、事前準備はとても大切です。
●なるべく環境変化を与えない
引っ越しする前に、荷造りすることですでに普段と違う環境になっています。引っ越し準備する時は、出来るだけ猫が過ごしている部屋・荷造りした部屋を分けておく。あまり変化を感じさせないようにすると良いでしょう。
荷造り品がどうしても猫の目に触れる場合には、一箇所にまとめて布をかけるなどして、部屋の変化を感じさせないようにします。
●前もって猫の居場所を決めておく
猫は引っ越す前も引っ越し後も、フードや水・トイレ、そして滞在する場所が必要です。また慣れない移動でも、出来る限り普段の生活がおくれるような準備が必要です。
引っ越す日にどのような行動をするのか、自分が環境の変化に弱い・大きな音にびっくりする・知らない人達の声や目が怖い臆病な子と仮定して、どのように移動したら怖がらなくて済むのかシュミレーションして決めてみるのも良いかもしれません。
●引っ越し当日は脱走に注意
引っ越しの荷物を運び出したり、引っ越し業者さんが入ったりするなど、猫は驚いて逃げてしまう可能性があります。大きな音や慣れない人の気配にびっくりするので猫用に荷物を出した静かな部屋に囲う・ペットタクシーなど車の中に退避させておく・ペットホテルに預けておくなど対処し、部屋に残している場合は引っ越し業者さんに、猫がいるからこの部屋は開けないように・逃さないようにして欲しいと伝えておきましょう。
もし引っ越し先で逃げてしまうと、慣れない場所で猫もどこに行けば良いかわかりませんし、飼い主さんも探しにくいものです。そんな事のないようにしっかりと事前準備をし猫のお世話をしてあげましょう。
●引っ越し先の動物病院を調べておく
引っ越し先の動物病院は事前に調べて何かあった時でもすぐに対応出来るようにしておきましょう。引っ越し後に猫がストレスで、ぐったりしてたり・水を飲まない・トイレをしない時に落ち着いて対応出来るようにしておくと良いと思います。
●ケージやバッグに慣れさせておく
引っ越し前一か月前には部屋に引っ越し時に使用するケージやバッグを置き、匂いのついたタオルなど敷き、自分から中に入っていくようにしておきましょう。引っ越し先でも逃げる場所と使用出来ます。
引っ越しの移動手段は車?新幹線?飛行機?どれがストレスが少なく値段が安い?
飛行機・新幹線・車・フェリーなど移動手段は様々です。猫を引っ越し先へ長時間移動など、どの移動方法ストレスが少なく安全なのでしょうか?金銭面や時間・ストレスで見ていきましょう。
ストレスは少ない順から車(ペットタクシー)➡フェリー➡新幹線➡飛行機の順になり、飛行機や新幹線では実際空港や駅にペットタクシーでお迎えした時に猫がぐったりとし倒れてたり・口から泡を吹いてて引っ越し先に行く前に動物病院へ行く事もあります。※特に飛行機はその後性格が変わったり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を負っている子や倒れて数日後に最悪の場合もあります。余程の事がない限りおすすめは出来ない移動手段です。
※車でもペットのプロでない、普通の引っ越し業者や軽貨物の荷運び屋さんが貨物ついでに安く載せていますが、貨物室で休憩や空調もないため飛行機より悪い結果になる事が多く注意が必要です。(ペットタクシーと名前だけで軽貨物の合間にやってる業者もいますのでしっかりと運行スケジュールの作成が出来・その場の柔軟な対応が出来る業者を選びましょう。)実際の引っ越し時に連絡がありペットタクシーで動物病院に搬送しています。
ペットタクシーの利用時は毛布やクッション・おもちゃ・トイレなど慣れた物を一緒に運び、匂いを大事にして普段の部屋で過ごすように同乗して声をかけたり・撫でながら移動して行くと猫ちゃんも安心して寝る事もありますよ。持って行くトイレは屋根付きの逃げ込めるトイレがいいです。ケージより落ち着いて引っ越し先まで行く子もいます。
新幹線を選ぶときは駅への移動が短い・乗車時間が2時間以内で最前列・最後列を選ぶと良いです。時間は休憩を1時間半以内に一度車でも必要な為です。
料金・時間は飛行機➡新幹線➡フェリー➡車(ペットタクシー)の順になります。
が、移動距離が200km以内だとペットタクシーなど車が安くなり、時間も家から家へとドアtoドアなので駅や空港への移動もなく早いです。
●安全な状況で移動する
猫の脱走がないように配慮することに加え、出来る限り安全に移動が出来るようにすることが大切です。
ケージに入れて運ぶ時にも、ケージに入っている時間が短く済むようにしてあげましょう。また外の様子が見えないように匂いのついた好みの布や毛布をかけて、不安にさせないようにしましょう。
飼い主さんが自分の車やペットタクシーで移動できる場合には、猫は一緒に連れて移動することが望ましいでしょう。猫を引っ越し先に入れたら、部屋に水やトイレなど入れしっかり鍵をかけておくなど、逃げないようにしっかり対策をしましょう。
●引っ越し先への移動時は猫の呼吸や体温・鳴き声で休憩のタイミングを計りましょう。
猫によってストレスのサインは違います。鳴いて知らせてくれる子・我慢している子など
呼吸や体温・鳴き声で知らせてますので、いつもと違うなと感じたら休憩を取りましょう。ペット用のしっかりとした業者さんなら対応も出来ます。
猫が引っ越し後に出てこない・水を取らない・トイレをしない時の対応は?
引っ越しをした後、猫が物陰に隠れてなかなか出てこないということがあります。その時にはあまり心配しないことが大切です。
●引っ越し後は猫が探る時間を大切に
生活環境が変わり慣れない場所に来た事で、猫は警戒しており、不安な気持ちでいるはずです。隠れて出てこないということがその証拠です。
自分の今までのなわばりでもなく、部屋の形も違っているし、匂いも違っているし、家具など部屋にあるものも違います。猫にとって全く知らない、新しい場所に来たわけですから、敵がいないか、どんな場所なのかを探っているのです。
慣れない場所で普段どおり動くほうが難しいものです。猫の様子を見守りましょう。
●隠れている場所から無理やり出さない
無理矢理隠れている場所から引っ張り出すことはしないようにしましょう。無理矢理出しても隠れてしまう可能性があり、より恐怖心を与えることにもなりかねません。
猫のペースに合わせて、自分から慣れて出てくることを待つ方が良いでしょう。自分で匂いを嗅いだり探ったりしながら、徐々に新居を自分のなわばりにしていきます。
●安心できる環境を作ろう
自分から出て来やすいような環境を作っておくことは大切です。フードや水、トイレは近くに置き、出来れば使っていたおもちゃや猫ベッドも置いてあげましょう。
フードと水については、ちゃんと食べたり飲んだりしているかを確認しましょう。なかなか引っ越し当日は食べないかも知れません。おやつをあげたり・水を飲まない時はウェットフードを使用するなどして対応し、次の日になってもトイレが出来ない・水を飲まないが続く時はすぐに動物病院にいきましょう。
●いつも通り優しく声をかける
出てこないからといって、猫を放置しておいて良いわけではありません。飼い主さんがいつも通り声をかけてあげることも大切です。
普段と同じように声をかけ、猫の名前を呼ぶなどして、飼い主はちゃんといるという事を伝えてあげましょう。
猫に新居に慣れてもらう方法は?
猫ちゃん自身が引っ越し先に慣れるためには時間が必要ですが、室内の環境を工夫することでより慣れやすくすることもできます。
●使用済みのトイレの砂を持っていく
引っ越しする時に砂は全部捨ててしまうかもしれませんが、一部袋に取り引っ越し先に持って行きましょう。引っ越し先では慣れたトイレに新しい砂と使用済みの砂を混ぜて使用すると、自分の匂いを感じ早く慣れてくれトイレも上手くいく確率も上がります。
●なるべく慣れた家具を使う
新居の家具を全て新しいものにするということはやめた方が良いです。
出来れば、以前もあった家具を出来る限り使ってあげると猫も落ち着きます。トイレやクッションなど、猫の匂いがついているものがあれば、新居でも使いましょう。
キャットタワーやおもちゃなども、前の家で使っていたものを新居でも使うということが、猫の安心につながるでしょう。
●家具を新調する時はゆっくりと
家具を変えたい場合には、猫が新居の生活に慣れたころに、少しずつ変えていくようにしましょう。
飼い主さんは新居に引っ越しをして新しいものに変えたいとなりますが、出来る限り前の物を使用し、猫には普段通り声をかけてあげながら、猫が徐々に慣れていくことを待ち少しづつ新しい物に変えていきましょう。
●落ち着ける場所を作る
引っ越し後、新しい場所に来たばかりの猫は、居場所がないと感じています。前からの猫ベッドや、匂いのついた毛布などを、落ち着ける静かな場所に置いてあげましょう。
また隠れられる狭い場所をあえて作ってあげるのも、猫にとって良い事です。
新居に慣れないうちは、少し偵察した後にまた隠れて落ち着くということが見られます。怖い時や不安な時に隠れられる静かな場所があると、猫は安心出来ます。ゆっくり眠れる自分の匂いのする場所を用意してあげることで、猫もリラックスすることが出来ます。
新居には飼い主さんがいて、フードと水もあってトイレも快適で安全な場所だよと、猫に認識させてあげましょう。
引っ越し後の猫のストレス解消法は?
生活している場所が変わった事で、猫は何らかのストレスを感じていることでしょう。なるべくそれ以上ストレスをかけないよう、ストレスを解消してあげましょう。
●環境を前の家と似せる
以前の家と変わっている点があれば、出来るだけ似せた環境にしてあげる方法もあります。
前の住まいと同じ家具を使う、外が見えていたならば、新居でも外が見えるようにしてあげるなどです。
そのためにも引っ越し前に使っていた猫のお気に入りを新居でも使ってあげることで、新しい環境に慣れやすくなります。
部屋が変わっていても、以前と同じような配置にしてあげるだけで、猫は居場所を見つけて落ち着けることもあります。
●運動をさせる
猫にとって上下運動は大切なので、キャットタワーなどで遊んであげることも良いでしょう。
前の住まいで使っていたおもちゃも、捨てずに新居で使って遊んであげることで、警戒せずに遊んでくれる可能性があります。慣れない新しいおもちゃより、よく使っている匂いのついたおもちゃのほうが、猫も安心出来ます。
●おやつやごはんをあげる
ご褒美であげているおやつを飼い主さんの手からあげるなど、少し甘えさせることも、猫にとって良い時があります。
猫と引っ越し後のまとめ
猫が引っ越し後に、隠れて出てこない時には、猫のペースを尊重して見守りましょう。
移動時の手段はその後の体調に影響しますので注意しましょう。
環境が変わることで不安なので、前と変わらずに過ごせないこともあります。慣れるまでは安全と感じるところに隠れて、呼んでも出てこないことも十分あり得ますがトイレをしているか?水を飲んでいるかは必ず確認し、慣れるまでゆっくり待ちましょう。飼い主さんの方も、引っ越し後でいつもと違う環境になり、慣れない場所での生活で、落ち着けないこともあるでしょう。猫もそんな飼い主さんの気持ちを敏感に感じ取ってしまいますので普段通りに声掛けをしたり撫でたりスキンシップを取ってご自身も一緒に落ち着いて下さいね。
新居でも猫と共に楽しい時間を過ごしていきましょう。
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